<第2話>停滞期と休会、そして初めてのお断り

停滞期と休会

入会フィーバーが過ぎた後は停滞期に入ります。繰り返すように平日休みの私は同じ平日休みの方が条件の一つになりますが、なかなか数が少なく、お見合い申し込み数は毎月数人という状態が続きます。その数人もお見合いすら受けてもらえません。私自身は特にイケメンでもなく、多数を占める土日休みの人とは合わず、そもそも年収を見られて足切りされるという現実。雪乃さんからは「焦るな」、「腐るな」、「諦めるな」と言われていたものの、「本当に結婚できるのだろうか?」という気持ちが日に日に強くなっていきました。

そんなある日、結婚相談所とは別の方向から出会いが飛び込みます。親が人脈ネットワークを駆使して私の1歳下の元同僚を紹介してくれたのです。この方とは順調にデートが進んでいき、正式な交際に発展したため結婚相談所を無期限で休会することにしました。入会してから最初の春のことでした。

順風満帆に見えたこの交際ですが結局長続きせず、僅か1ヶ月で関係の継続は困難という判断を下すことになります。相手から「本当は結婚願望無いし、子どももどちらでもいい」と言われたのが理由の一つで、この時に「本気で結婚したい人ばかりで、子どもが欲しいかどうかも先に確認できる結婚相談所っていいな」と思いました。結婚相談所での活動を再開し、相手に別れを告げました。

再開後も停滞しているのは相変わらずで、思い切って土日休みの人にも範囲を広げて制限いっぱいまでお見合いを申し込むこともしましたが、全く成立せずという状態が続きます。稀に成立してもお断りか初回デートで終了するという有様でした。ただ一つ言えるのは、私はお見合いではお相手がどんな方であろうとOKを出し続けていたということです。そしてお見合いやデート後の振り返りを必ず行って雪乃さんと共有していました。この積み重ねが私の婚活の方向性を明確にしてくれましたし、その時の私に合った的確なアドバイスに繋がったと思っています。

初めてのお断り

話は前後しますが、停滞期の中でも順調に進んだ方はいました。1歳上で土日休みですが、私に興味を示して積極的にアピールして下さる方でした。私も最初は良い人だと思ってデートやLINEを重ねましたが、次第に浮かんでくる違和感を拭えず、悩みました。

そして私は以前から楽しみにしていた一人旅に出掛けました。LINEを放置状態のまま旅が進むこと3日間。旅に没頭して忘れかけていた頃にお相手からお気持ちの確認があり、雪乃さんからの「どうしますか?」のメッセージでやっと決心してお断りしました。初めてのこちらからのお断りでしたから非常に後味の悪いものでしたし、その時に乗っていたJR城端線の車窓は今でも印象に残っています。

「休みが合わない」を乗り越えて

同じ年の秋頃から徐々に停滞期を脱し、月に1~2人ほどのペースでお見合いが決まるようになります。夏に休日のパターンが変わって定期的に日曜日が休みになったことから、申し込みの数を一気に増やしたことも関係しています。

お見合いを繰り返す中でお相手の話の掘り下げを自身の課題として設定し、お相手の話をよく聞いて展開していくことに重点を置きました。相変わらず仮交際にはなかなか発展しませんでしたが、「次があるさ」と前向きに切り替えて進めていきました。

しかしながらこの時期からお断り理由に「休みが合わない」が目立つようになります。「フィーリングが合わない」なら相性の問題なので諦めもつきますが、休日を理由にお断りされるのは正直傷付きました。私のプロフィールには「不規則勤務」としっかり書いていましたし、そもそも一般常識として「鉄道は年中無休で早朝から深夜まで動いている」という認識があって、それを了承した上でお見合いを受けて頂いたと思っていましたから。私はこの仕事が好きで誇りを持って働いていたため、自分の人格を否定されたような気分でした。

最大の転機は2年目の春のことです。新規会員のお相手のお写真を拝見して直感的に「絶対に成立する!」と確信して申し込み、それが的中してお見合い成立。学部は違いましたが奇しくも同じ大学の後輩でした。お見合いでは話が弾んで感触は今までで一番良く、仮交際に進めると確信していました。しかし結果はお断りで、その理由が「休みが合わない」でした。私はこれで大きくショックを受けました。

休日を理由としたお断りがこれ以上続くと自身のメンタルがもたないと判断した私は、雪乃さんに「プロフィールを変更したい」と申し出ました。雪乃さんもその必要があると考えていたようで、プロフィールのお相手への希望欄に「不規則勤務にご理解のある方」を追加しました。ここまでそれなりにお見合いの経験を積んできていたことから、お見合い成立率を下げてでも私の仕事にご理解のある方とお見合いしようという方針へ舵を切ったのです。
この方針転換が妻との出会いを引き寄せることになります。

⇒「<第3話>妻との出会い、そして真剣交際へ」につづく…(3月6日配信予定)