<第3話>妻との出会い、そして真剣交際へ

妻との出会い

同じ頃、私は一人旅をしていました。方針転換した後に入会フィーバーを超える波が来ており、お2人と仮交際に入ることができたため、「これが独身生活最後の旅になるだろう」というある種の感慨を持ちながらの旅路でした。このお2人とは結果的にご縁はありませんでしたが、今思えばこれが妻との出会いの前触れだったように思います。旅の途中に参拝した静岡県の大室山浅間神社の神様が引き寄せてくれたのかもしれませんね。加えて、「ずっと実家暮らしでは生活力がつかない」と一人暮らしを始めたのも呼び水となりました。

今の妻へはこちらからお見合いを申し込みました。この時は再び仮交際ゼロになって最初からやり直しという状況で、新規から長く活動中の方まで幅広く申し込んでいた時期でした。妻に申し込んだのは「同学年だから」というただそれだけです。妻はIBJデビュー直後で、後に「お見合いは2人目だった」と明かされました。

お見合いの会場はミッドランドスクエアの中のカフェでした。プロフィールのお写真では眼鏡なしでしたがお見合いには眼鏡を着用して来ていたため、最初は別人を疑ったのは否定しません。いざお話ししてみると一方的なマシンガントークが続き、周囲が騒がしくて半分以上を聞き取れなかったこともあり私の頭の中は大混乱に陥ります。

お見合い終了後、雪乃さんには「仮交際は全てOKする方針でやっているが、彼女はお断りしようか迷っている」と相談しました。雪乃さんの答えは「あと数回会ってみてから判断してもいいのでは?」。雪乃さんがそう言うならとOKを出し、仮交際がスタートします。
彼女との初デートはセントラルタワーズ最上階のカフェでした。窓側の席で名古屋の景色を見ながらお話ししました。彼女はその場でいきなり将来のことなど本来なら真剣交際に入ってからするであろう話を始めました。そこで私は「この方は本当は真面目で頑張り屋さんで、それ故にお見合いでマシンガントークをしてしまったんだな」と気付いたのです。
雪乃さんの助言を素直に聞き入れていて本当によかったと思いました。

忘れられないお相手

全く同じ時期に仮交際した方がいます。その方は3つ下で、控えめで落ち着いた感じの清楚で品のある方でした。職種は違っても同じ不規則勤務でお互いの仕事に理解があり、話が大きく弾むことはなくても一緒にいて落ち着くと感じていました。もし他に仮交際している方がいなければ迷わず真剣交際を申し込んでいました。

ここで私は深く悩むことになります。今の妻と彼女は仮交際の進行状況がほぼ同じで、真剣交際に入るにはどちらかを選ばなければなりません。私はどちらにも魅力を感じており、どちらも私に前向きな気持ちでいると雪乃さんから伝えられました。贅沢な悩みですが私は苦しみました。どちらかを選ぶということは、どちらかを傷付けることになってしまう。

散々迷った末に、過去のデートを振り返って反省点なしが多かった今の妻を選びました。苦渋の決断でした。せめてもの罪滅ぼしに、雪乃さんには彼女の良い所を列挙して伝えました。
彼女には私よりも良い人と幸せになってほしいと心から願っています。

真剣交際

妻と真剣交際に入るまでには長い時間を要しました。通常3回目前後のデートで男性側から真剣交際を申し込むことになっていますが、私の心が先に書いた方との間で揺れていたのと、妻も入会したばかりで私を選ぶか決めかねていたためです。

どちらも態度を明確にしないまま臨んだ5回目のデートは名古屋港水族館のナイトアクアリウム。地下鉄の名古屋港駅で降りて地上に出る階段を上っている途中、妻の方から「手を繋ぐ?」と。私は「自分から手を繋ぐのは真剣交際に入ってから」と決めていたので、本当に私に気持ちがあるんだと感じて非常に嬉しかったです。以後、解散するまでずっと手を繋いでいました。さらに嬉しいことに雪乃さんより「手を繋いでもしっくりきたようで、真剣交際に入る意思を固めた」との連絡がありました。このタイミングで先に書いた方をお断りし、妻に絞ることになります。

迎えた6回目のデートは金山でした。アスナル金山の中で食事をした後、近くの喫茶店に移動。言い出すタイミングを考えていたところ、妻からのアイコンタクトがあり、今だ行くしかないと思って「真剣交際、お願いします。」と伝えました。妻からは「よろしくお願いします。」とお返事を頂き、晴れて真剣交際成立。いろいろな事が上手く噛み合ってここまで来たんだなと感じましたね。今まで積み重ねてきたお断りや失敗は、全てこのためにあったんだと思っています。

真剣交際に入ってからは、今までの苦戦は何だったのかと思うほどにトントン拍子で話が進んでいきます。デートを楽しむのは勿論ですが、家具屋へ行って家具を見て、住む場所を話し合って、物件の内覧に行ったりするなど、結婚生活への準備を並行して行いました。その流れで私が一人暮らしをしているアパートに妻が来た時、妻がカレーライスを作ってくれました。今まで食べた中で一番美味しかったのは言うまでもありません。真剣交際成立後すぐの雪乃さんとの面談で「来月プロポーズ目標」と言われて、今までどこか遠い存在だった「結婚」の二文字が急に現実味を帯びてきましたね。

その後暫くして妻のお母様とお話しする機会がありました。ゲートタワーの中の洋食屋で、妻を入れて3人でのランチです。私は明るく爽やかに振る舞い、良い印象を持って頂けるように努めました。お母様は大変に喜んでおり、思った以上に気に入って頂けたようです。「お顔に優しさが出ているの。優しい人でよかったわ。」とのお言葉を頂戴し、とても嬉しかったです。終始和気藹々とした雰囲気で食事が進みました。残る壁はお父様ですね。

そして13回目のデートで知立の不動産屋に行った後の帰り道。私はデートが終わるのが惜しくて、勇気を出して彼女に「ハグしてもいい?」と聞きました。OKを頂き、人通りの無い所で暫く抱き合い、お互いに感謝を伝え合いました。凄く嬉しかったです。
最後となる14回目のデートは東山動植物園。10時過ぎに入園して閉園の16時半までずっと園内にいました。一緒にいる時間が楽しすぎて瞬く間に時が過ぎました。また、これが結婚相談所での最後のデートだと思うと名残惜しくもありました。
なお、デート全般において食事は私が奢り、お茶は妻が出す流れが自然にできていました。

⇒「<第4話>プロポーズ、そして成婚退会へ」につづく…(3月9日配信予定)