<第4話>プロポーズ、そして成婚退会へ

プロポーズ

プロポーズへは3週間前から動き出しました。妻の相談所より妻の希望するプロポーズを早くから聞いており、それを超えていく内容にできるように準備をしていきます。
雪乃さんにご紹介頂いた宝石店の予約を取り、店長と相談してプロポーズリングを付けたダイヤモンドを購入しました。その足でこちらも雪乃さんにご紹介頂いた結婚式場に行き、ウェディングプランナーと当日の流れを打ち合わせました。実際にプロポーズをするチャペルを見て、急に緊張してきたことを今でも覚えています。

そして鉄道ファンの私ならではの発想ですが、九州に私と彼女の双方の名字の駅があることから、プロポーズで花束や指輪と一緒にその区間の片道切符を彼女に渡すことにしました。最後のデートの解散後に名古屋駅のみどりの窓口に行ってその切符を購入し、改めてこれから彼女の人生も背負っていく覚悟が決まったような気がしました。
迎えたプロポーズ当日は、風が冷たいものの気持ちの良い秋晴れの天気。私は自分でも驚くほどに緊張感も実感も持たずこの日を迎えました。これぐらい落ち着いている方がいいのかもしれませんね。

サプライズの要素を入れたプロポーズにしたいという気持ちから、妻には待ち合わせ時間と場所以外の情報を伏せていました。待ち合わせの30分前に現地入りして担当者と最終の打ち合わせをし、時間を見て妻を迎えに行っていよいよスタート。妻は緊張した様子でした。
会話を楽しみながらフルコースのディナーを堪能し、デザートを食べ終わったところで事前の打ち合わせ通りトイレ名目で席を外します。そして担当者の案内でチャペルへ。昼間とは全く違う雰囲気とお祝い担当のスタッフの多さに圧倒されて急に緊張感が高まります。

待つこと暫し。彼女が入ってくると同時に足元を虫(コオロギ?)が這い回るハプニング。スタッフにアピールして逃がしてもらいました。
そして祭壇の前で「今までありがとう。僕と結婚してください!」と伝えて右膝をつき、指輪の箱を開けて妻に差し出しました。妻の返事はよく覚えていませんが、「はい。宜しくお願いします。」だったと思います。
続いて花束を渡し、椅子に腰掛けて暫く話しました。先述の片道切符はここで渡しました。妻は感激して泣き出しました。肩を抱き寄せ合い、初めてキスしました。

ゆっくりバージンロードを歩いて外に出ると大勢のスタッフからお祝いを受けました。自分でも信じられない気分でしたね。すぐにチャペルの中に戻って記念撮影。彼女の指にはプロポーズリングに嵌められたダイヤモンドが輝いていました。
最後に担当者から改めてお祝いのお言葉を頂き、お礼の言葉を返して会場を出ました。
プロポーズ、大成功です。
後日、帰宅後の様子を聞いたところ、妻のご家族はお祭り騒ぎだったようです。妻曰く、「家族の中で評価が爆上がりしてる」と嬉しいお言葉。本気で泣かせるために準備していった甲斐がありましたね。

成婚退会

プロポーズが大成功して正式に婚約したところで残すはお互いの両親への挨拶と両家顔合わせです。本来なら先に私が妻のご両親に挨拶に行きますが、妻が私の母との相性を非常に気にしていたことから、妻が私の両親に挨拶に来るのが先となりました。

当日は市内でランチした後に私の実家へ行き、1時間半ほど話しました。妻は終始緊張しているようでしたが、彼女なりに頑張っているのが伝わってきましたね。私が横から時折フォローを入れ、妻の良さを両親に理解してもらえるように努めました。話の内容は、妻のこと、妻の家族のこと、交際の状況、入籍の予定日など、多岐に渡りました。
父は妻を気に入ったようで、「良い子で安心したぞ。」と伝えられました。母も悪くは思っていないようです。私の両親からは正式に結婚の許可が出ました。今度は私が妻のご両親に挨拶に行きます。

その翌週に妻と私の双方の相談所に挨拶に行きました。高島屋の地下でカウンセラーへのお礼の品を購入してから向かいます。妻の提案で有名な焼菓子のクリスマス限定商品にしました。すぐに売り切れてしまう物だそうで、買えてよかったです。
午前中は妻の相談所へ。栄にある大手相談所で、カウンセラーはベテランで頭が切れる感じの方でした。「ここからがスタート。これから衝突することもあると思うが、二人なら一緒に乗り越えていける。そして将来子どもができた時、親として自分を変えていくことが重要。」とのお言葉を頂戴しました。そして一通りの話が済んで外に出る時、スタッフ総出でお見送りがありました。レッドカーペットの上を花吹雪を浴びながら歩いてお店を後にしました。

金山で昼食にした後、電車に乗って雪乃さんの元へ。指定された場所は奇しくもプロポーズをしたホテルグランドティアラ南名古屋でした。お世話になったスタッフの出迎えを受けてラウンジへ。
まず雪乃さんにお礼を述べて焼菓子を渡しました。とても気に入って頂けたようです。雪乃さんからはお祝いの品としてペアのワイングラスを頂きました。ここまでの思い出話や妻とのあれこれを話しながら成婚退会の書類に署名し、成婚料をお支払いして無事に成婚退会となりました。思い返せば長いようで短かった1年10ヶ月、成婚退会できたことがまだ信じられないです。

⇒「<最終話>婚活アプリと結婚相談所の違い」につづく…(3月13日配信予定)